新たな作用機序による抗菌薬開発を目指したペプチド型細菌 DPP7 阻害剤の創出
構造生物薬学分野の阪本泰光教授、生化学分野の關谷瑞樹准教授は、神戸大学大学院保健学研究科の日高興士研究員、神戸学院大学の津田裕子名誉教授、長岡技術科学大学技学研究院技術科学イノベーション系の小笠原渉教授およびJAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究により、2014年に多剤耐性菌類縁菌のタンパク質分解酵素ジペプチジルペプチダーゼ(DPP)7の立体構造を発表しましたが、これはタンパク質分解酵素のS46 ジペプチジルペプチダーゼとしては世界で初めての成果です。阪本教授と關谷准教授はこの立体構造を基に、タンパク質の立体構造に基づく薬剤設計、Structure Based Drug Design(SBDD)によりDPP7 を阻害する化合物の設計を進めてきました。今回、DPP7を阻害する 化合物を新たに開発することで特許権を取得するに至りました。特許化合物は多剤耐性菌の増殖を選択的に抑制するとともに、歯周病菌にも強く作用することが示されました。本特許は、歯周病菌や多剤耐性菌などの糖非発酵性病原菌に 対して、これまでにない仕組で作用する新たな抗菌薬の開発と実用化に結びつくと考えられます。
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