6月10日、薬学部4学年専門科目「医療倫理とヒューマニズム」において、「がん患者の声を聞く」と題した講演会が開催されました。講師の大坪幸広様(矢巾町在住)は、がんを宣告されてから10年に及ぶ現在までの闘病の歴史を、その時々の心情を振り返りつつ、丁寧に学生たちに語りかけて下さいました。普段は、「がんという疾患」「抗がん剤という薬」を勉強している薬学生ですが、この講演会では、がんを告知された時の衝撃、その後の検査や放射線治療に対する不安や孤独感、「キャンサーギフト」(がんからの贈り物)と表現されていた新たな人々との出会い、退職や再就職を経て気づかれた「病気であっても働く喜び」、そして、なかなか伺いづらい医療費の問題や活用できる社会資源など、がん患者さんに訪れる様々な生活の変化、お気持ちの変化を多面的に学ばせていただきました。学生たちは、今なお続いている大変な闘病生活をユーモアたっぷりに話されるお姿に驚きながらも、熱心に聞き入っていました。
今年で5年目(5回目)を迎えた講演会ですが、大坪様は、毎年体調を整えてこの日に臨んでくださっています。講演の最後には、患者からみた薬剤師への期待を話され、薬学生たちに大きなエールを送って下さいました。大坪様、本当にありがとうございました。
2020年6月