くすりの効き方の不思議さ・面白さ・・・(6)
令和3年6月16日
長年悩まされている首や肩の筋肉が凝ることで起こる頭痛の対策として、自分が服用している薬について書いています。
前回自分が服用している薬について書いたことを読み直してみて、改めて振り返ってみないといけないな、と感じたことがあるので、これから書いてみたいと思います。
さて、その薬は効くことがわかって以来、20年以上も使っています。もっと効くものは本当にないのか、などとも書きましたが、3日くらい前でしょうか、また頭痛が来そうだったのでいつもの量を昼食後に服用したところ、期待通り軽快しました。
やっぱり今服用中の薬はいいのだな、と思います。前回、いま服用している成分と異なるものが主成分になっている一般用医薬品(だったものも含める)を3つほど思い浮かべました、と書きました。
続いて、
これらのうち1つの薬物Xは、医薬品医療機器総合機構発出の文書に、厚生労働省が「長期連用による腎障害等の危険性に鑑み、一般用医薬品としての販売を認めなくなったという記載を見つけました、と記しました。
やはりこの文章でひっかかったのは、「長期連用による腎障害等の危険性」の部分です。
この薬物Xはもはや入手できないのですが、私が子供のころ、確かにXの名前はよく知っていました。その時にはまちがいなく販売されていたのです。販売されて相当数の方が、服用したあとに、長期連用による危険性がわかった、ということになります。
では、私が20年も服用しているのは、長期連用にあたると思います。この調子では、一生ものになりそうですが、そうなったときの危険性についてはどうなのか、と踏み込まなくてはなりません。
医学系の学術論文を検索できるサイトに行き、まずは私が服用している鎮痛薬の成分名と長期連用で検索したところ、13の個別の無作為化比較試験を統合した結果が検索されてきました。専門的には、コクランライブラリー内の記述です。「根拠あるいは証拠に基づく医療」という言葉がありますが、コクランライブラリーに収載されている情報のエビデンスレベル、すなわち根拠/証拠は確かなもの、と考えます。そこでは、私が服用している成分、および類似の物質がひとくくりにされていました。世の中に絶対安全はない、とはよく言われることですが、まさにその通りの結論「長期連用しても安全と結論づけることはできない」と書かれていました。
まあそうだろうな、と思いましたが、私自身、薬物Xに関して医薬品医療機器総合機構が発出した文書のような腎障害の状態になったり、体調に変調をきたしたり、ということはありません。やはり、薬が効くこと(有効性)と薬によって健康に悪い影響が現れにくいこと(安全性)は、薬物Xの時代よりはるかに進歩しているのではないか、と思います。
と同時に、「この薬のせいだ」と疑うこと自体、なかなか難しいのですが、今後も薬を服用することで体調に異常をきたすことがないかどうか、自分自身に注意を払う必要があるだろうと思います。現時点では、頭痛による仕事の支障がないように、本薬は私を助けてくれている、ということで、くすりの効き方のよい意味での不思議さ、ワンダフル(発音はワンダホーに近いでしょうか)と思います。