Dr OZくすりのよもやま話(44)

一新された常用薬・・・(1)

令和4年6月25日

4月になってすぐに、家系的な背景から、気をつけなければならない、と危惧していたことがあたってしまいました。しかし、決して家系のせいにしてはなりません。食生活等、日常生活において十分に気をつけなければならなかったにもかかわらず、それを怠ったためにいわゆる「脳血管障害」の範疇に入る症状を呈することになったと考えるからです。自業自得、というのはこういうことなのだ、と思い知ることとなりました。

自分の専門との関係で、一つだけ気になることがあるので、ここに記しておきます。薬は口から飲むにせよ、注射にせよ、全身のあらゆる臓器・組織に届きます。薬が体の隅々まで届く過程で薬はその効果を発揮します。当然、肝臓や腎臓にも届き、肝臓では一般に、薬の化学構造をより水に溶けやすい形に変えて、腎臓を経由して薬は尿に排泄されます。また、肝臓から胆汁中に排泄する道筋も存在し、最後は糞便を通して体外に排泄されます。

一方、飲むときには効果が現れない形でありながら、主に肝臓の酵素によって、効果が出る形にかわる場合もあります。私が4月から飲むことになった4剤のうちの一つは、肝臓の酵素で効果を発揮する形に変わります。酵素は、遺伝子DNAに存在する“設計図”によってつくられますが、遺伝子のわずかな違いにより、その酵素が作れない人がいます。気になったこと、というのは、自分の酵素はちゃんと作られているのだろうか?ということです。

ただ、幸いに自分は効果が出る部類なのかな、という感触があります。それは、歯磨きをするときです。その薬は、いわゆる「血液をサラサラにする」薬です。薬を飲むようになった4月の初めより以前、つまり昨年度に比べて、歯ぐきから血が出やすくなったかな、と感じるからです。その薬が効かない体質であるかどうかは、遺伝子を調べればきちんとわかるのですが、そこまで行う必要はなさそうです。

一覧に戻る