高大連携事業ウィンターセッション2023

 12月25日(月)、26日(火)の2日間にわたって、令和5年度高大連携事業「ウィンター・セッション」が開催されました。昨年度はオンライン開催を余儀なくされましたが、今回は実に4年ぶりに本学矢巾キャンパスに受講生の高校生をお招きしての実施となりました。

 薬学部では、「自然から得られるくすり」をテーマに、5つの講義を行いました。岩手県全域から参加してくれた24名の高校生たちは、生薬や漢方を五感で楽しんだり、薬効成分の合成・機器分析や植物遺伝子の系統解析を体験したり、天然物由来の抗がん剤について学んだりして、自然と薬(学)のつながりをしっかりと感じ取ってくれたようでした。



【追記】終了時アンケートの中に、「セイヨウイチイ(西洋一位)の実は食べても大丈夫か? また、セイヨウイチイの実から薬はできないか?」という質問を頂きました。ご本人に直接お返事が叶いませんので、この場を借りて回答します。第2,3講義を担当した田浦教授と、第4講義の遺伝子解析を担当した大橋准教授からの回答と豆知識です。

<田浦>セイヨウイチイの果実は食べることができますが、種子に毒があるので種を噛まないよう注意が必要です。種に毒を持つのは、おそらく次世代をつなぐための工夫と考えられます。抗がん剤を与えてくれるセイヨウイチイですが、残念ながら果実には薬効成分が含まれていないようです。

<大橋>日本にも近縁種であるイチイの木が寒冷地を中心に分布しています。イチイの木は硬い材木となり、貴族が使う笏(しゃく)などが作られていたので、高貴な木ということでイチイ(一位)という名前になったようです。セイヨウイチイはヨーロッパに分布するイチイの仲間という意味を持ちます。


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