構造は科学の基礎である。

構造とそこから導かれる物性は医薬品開発の基礎となります。生体内に多数・多種類存在し、様々な生理機能を担っているタンパク質の構造と機能の相関を解明することは、医薬品開発のみならず、生命活動の理解の点でも重要な鍵を握っています。当分野では、医薬品候補化合物の探索(化合物スクリーニング)を行い、その標的タンパク質と候補化合物複合体の立体構造から新薬の種(シード)を見出すことを目標としています。

研究成果・実績

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  • Abdullaziz MA, Takada S, Illarionov B, Pessanha de Carvalho L, Sakamoto Y, Höfmann S, Knak T, Kiffe-Delf AL, Mazzone F, Pfeffer K, Kalscheuer R, Bacher A, Held J, Fischer M, Tanaka N, Kurz T.
    Reverse N-Substituted Hydroxamic Acid Derivatives of Fosmidomycin Target a Previously Unknown Subpocket of 1-Deoxy-d-xylulose 5-Phosphate Reductoisomerase (DXR).
    ACS Infect Dis . 2024 Apr 22.
  • 阪本泰光 , 日高興士 , 石原 司 , 中村彰宏 , 鈴木義之 , 關谷瑞樹 , 六本木沙織 , 小笠原 渉 , 田中信忠
    多剤耐性菌及び歯周病菌感染症の治療を目指した新たな作用機序による抗菌薬の開発
    放射光(日本放射光学会誌)35(2) 88-96 2022
  • 阪本泰光
    新型コロナウイルス(SARS-CoV2)の 治療薬開発における構造生物学
    医薬品相互作用Vol. 47, No. 3, 2023 8-17

主な研究内容

  1. 糖非発酵性グラム陰性の多剤耐性菌および歯周病菌に対する抗菌薬の開発
  2. 日本実験棟「きぼう」でのタンパク質結晶化
  3. 歯周病菌の発現する有臭有毒物質産生酵素の構造機能解析
  4. 有臭有毒物質産生酵素を標的とした新規阻害剤の探索

担当講義

物理化学1 (2年前期)
物質を構成する基本単位である原子および分子の性質を理解するための、原子構造、分子構造および分子間相互作用に関する基本を学ぶ。 野中孝昌
物理化学2 (2年後期)
物質の集合体としての巨視的な状態を理解するため、熱力学の基礎を学び、気体や液体の自発的な変化の原理を理解する。 阪本泰光(責任者)、
毛塚雄一郎(分担者)
物理化学3 (3年前期)
溶液の性質、電気化学、化学反応の速度について学び、反応速度式の決定、反応速度に影響を与える温度、酸塩基触媒、酵素触媒などの諸因子について学ぶ。 阪本泰光(責任者)、
毛塚雄一郎(分担者)
構造生物学 (3年後期)
細胞内で起こっている現象を理解するためには、生体高分子の三次元構造に関する知見を得ることが不可欠である。本講義では、分子の構造決定法の原理と、立体構造に基づいた医薬品開発および創薬のための基礎知識を学ぶ。 野中孝昌(責任者)、
阪本泰光(分担者)、
毛塚雄一郎(分担者)
その他の担当講義・実習
薬学入門、薬学基礎数学、早期体験学習、物理化学演習(自由科目)、薬学実習2物理化学実習、総合薬物治療演習、実務基礎実習、総合講義、三学部合同セミナー

メンバー

教授

野中 孝昌(のなか たかまさ)
昭和62年 東京大学薬学部製薬化学科卒業
平成元年 東京大学大学院薬学系研究科製薬化学専攻修士課程修了
平成4年 長岡技術科学大学大学院工学研究科材料工学専攻博士後期課程修了、博士(工学)

教授

阪本 泰光(さかもと やすみつ)
平成9年 長岡技術科学大学工学部生物機能工学課程卒業
平成11年 長岡技術科学大学大学院工学研究科生物機能工学専攻修士課程修了
平成14年 長岡技術科学大学大学院工学研究科材料工学専攻博士後期課程単位取得退学
平成17年 博士(薬学)
助教 毛塚 雄一郎(けづか ゆういちろう)
平成11年 長岡技術科学大学工学部生物機能工学課程卒業
平成13年 長岡技術科学大学大学院工学研究科生物機能工学専攻修士課程修了
平成18年 博士(工学)
研究員 六本木 沙織(ろっぽんぎ さおり)
平成26年 岩手医科大学薬学部卒業
平成30年 岩手医科大学大学院薬学研究科博士課程修了、博士(薬学)
現職: 日本科学未来館 科学コミュニケーター