Dr OZくすりのよもやま話 (9)

眠りの質を良くすることはできるでしょうか・・・(2)

令和33月19日

ドラッグストアの店頭に陳列されていて“眠りの質を良くしそうだ”と思う薬を探してみました。どうやら箱に「寝つきが悪い」「眠りが浅い」と書かれているものが、もしかしたら眠りの質を良くする可能性があると思えました。そして薬の名前(商品名)も薬の中身を推定する手がかりとして大切だと思います。しかし、「寝つきが悪い」「眠りが浅い」が書かれている薬の名前に、「ネムレール」とか、「ヨクネール」のようないかにも睡眠を助けそうだとか、眠りをよくしそうだ、ということを連想する名前はありませんでした。こうなると、ドラッグストアでみてきた薬を製造しているメーカーの説明をみるのが一番信頼できる情報が得られるという意味でよさそうです。URLの一例です。

https://www.ssp.co.jp/drewell/products/about.html

 

説明では、不眠には「不眠の悪循環」のような印象を与える「不眠のループ」があるようです。

 

仕事がはかどらない→ストレスがたまる→不眠に陥る→集中力や意欲の欠如

そして、集中力や意欲の欠如が起これば、仕事がはかどらなくなり、

集中力や意欲の欠如→仕事がはかどらない→ストレスがたまる→不眠に陥る

ような悪循環をきたすでしょうね。睡眠改善薬は、このループを断つということと思われます。

 

医薬品には、医師の診察を受けて医師の処方せんに従って、薬局の薬剤師が患者さんに渡す医療用医薬品と、ドラッグストアで購入できる一般用医薬品(OTCともいいます)の2種類があり、私がドラッグストアでみた「睡眠を助ける薬」は、処方せんなしに購入できるものです。そして、「睡眠を助ける薬」は、正しくは、「睡眠改善薬」とよばれていて、「一時的な不眠」に使用するものです。そして、一時的な不眠とは、「精神疾患等病的な原因のない人が経験する一過性の不眠」のことをいっています。

 

不眠症状に使用する医療用医薬品は、“慢性的な”不眠症状に使われます。医師の診察を受けて、診断が下り、処方せんが出されて薬局で購入するくすりは、自分以外の人(この場合は医師)が、自分がのむくすりを指定します。一方、ドラッグストアで購入するのを決めるのは自分です。従って、ある意味、一般用医薬品の方が難しいとも言えますし、自分の責任で注意をしなければならないことになります。ちなみに助けてくれるのはドラッグストアなどで働く薬剤師と登録販売者です。

 

「睡眠改善薬」は一過性であって、毎日の眠りを助けるために毎日のむくすりではない、ということが大事だと思います。実は、私が当初気にしていたことはこの点です。毎日のんでいいのか悪いのか、です。説明は「睡眠改善薬は一時的な不眠を改善してくれるもの」であって、何週間ものむものではないということで、明快に私の疑問を解決してくれました。

一覧に戻る