Dr OZくすりのよもやま話 (31)

くすりの効き方の不思議さ・面白さ・・・(17)

令和3年11月11日

急に寒くなってきたと思ったら、翌日は気温が10℃近く跳ね上がることもあり、体調を崩さないように注意を要する季節になりました。

私にとっての今年の一大事件は「転倒に端を発した肩痛」でしょう。一時は一生治らないのでは、と危惧するくらい痛みがひかず、かといってこのシリーズに似合わず、痛み止めはほどほどにしたほうがよいのでは、とも思いました。実際、最初に痛み止めの薬(消炎鎮痛薬の一つ)を処方していただいた先生のところに、再度同じお薬を処方していただきたいと思って再診に伺ったのですが、「できれば調節してのんでね」というコメントを頂いてしまいました。ドラッグストアでは全く同じ物質を主成分とする剤を購入することができないように思うのですが、添付文書を見る限り、「処方せん医薬品」の規制区分にはなっていません。ただし、「劇薬」という規制区分になっています。この点、本当はどうなっているんだろう、と疑問に思っています。

やはり物事突き詰めて考えるといろいろな疑問が湧いてくるものです。「劇薬」に指定されるためにはきちんとした基準があります。例えば、急性毒性(概略の致死量: mg/kg)が次のいずれかに該当するもの、とあり、例として経口投与の場合をあげますが、

「経口投与の場合、毒薬が30 mg/kg以下、劇薬が300 mg/kg以下の値を示すもの。」と書かれています。下のURLは厚生労働省のホームページ内の文書です。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000014658.pdf

 

ということは、私の肩痛を鎮めるのに使っている薬の場合、この基準により、劇薬指定がなされていると思われます。それで、私を診察して下さった先生は、「調節してのんでね。」という注意をして下さったとも考えられます。

 

幸いなことに、徐々にではありますが、痛みは薬なしで治まりつつあります。全くゼロではありませんが、快方に向かっていることは確かです。

 

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