2016年度卒業
三浦利貴さん(5期卒業生)
薬物代謝動態学分野

三浦利貴さんは、薬学部卒業後、薬学研究科博士課程に進学。薬物代謝動態学分野の小澤正吾教授、幅野渉准教授(現・教授)の指導の下、博士(薬学)を取得しました。

現在は、岩手医科大学・歯学部・微生物学講座・分子微生物学分野で助教として勤務しています。

【プロフィール】

盛岡中央高校普通科進学コース(現進学選抜Aコース)→ 岩手医科大学薬学部卒業(第五期)→ 岩手医科大学薬学研究科博士課程修了

国立がん研究センター鶴岡連携研究拠点 研究員 → 岩手医科大学歯学部微生物学講座分子微生物学分野 助教


1)(本学)薬学部に入学した理由

 当初は教員になることを志していました。進学する大学を選ぶ段階で、当時医療関係の職に勤めていた父から薬学部を紹介されたことが薬学部を知るきっかけでした。当初は本学は第一志望ではありませんでしたが、結果的に入学する運びとなりました。

 進学先を本学にする、ということを高校の恩師に伝えに行った時、「これがお前の進むべき道で、なるべくしてなったのかもしれないのだから、ちゃんとやるんだぞ」という言葉を頂きました。結果として、本学での大学生活はとても実り多いものであり、その言葉通りになったと実感しています。

2)(本学)大学院に進学した理由

 薬学部4年時の研究室配属では、薬物代謝動態学講座に配属となりました。飲んで体に入った薬が、どのように効いて、どのように分解されて、そして体から出ていくのか、ということを専門に扱っている研究室です。体の中で薬を分解する酵素があることを大学の講義で知って、とても惹かれたこと、また、研究室配属時に当講座には3名の大学院生がおり、その様子を見たり話を聞いたりしていく中で、「いいな」と思ったのが大学院進学のきっかけでした。あとは、実験が楽しかったのも理由の一つです。

 また、先述の通り、教員になることが大学入学以前の目標でしたので、大学院を修了し学位を取得すれば、大学の教員としての道も開けるのでは、という思いもありました。

3)在学中の思い出など

 部活に力を入れていることが多かったです。私は写真部に所属しており、当たり前ですが活動内容は写真を撮ることでした。その活動には、大学行事や、広報用の写真撮影も含まれていました。また撮影した写真は、年数回の部展にて学外でも展示することがありました。その中で、学内外多くの方と接する機会があり、いろいろな刺激を得ることができました(写真のお仕事を頂くこともありました)。最終学年では、卒業アルバムの写真撮影を引き受けたことも良い思い出です。このような場で得た人脈やスキルは、これから先の人生で必ず自分を助けてくれることと思います。

 本学の特色として、医学部・歯学部・薬学部・看護学部が一堂に揃っているという点があります。部活は学部間の垣根を超えて接することができる良い機会でした。部活としての交流はもちろん、「この薬ってどうなん?」「この病気ってなんなん?」というように、各学部の異なる専門性を活かしてお互いに尋ね合い、勉強することもできました。このつながりは卒業後も活かすことができると思います。

4)現在の職場を選んだ理由、大学の教員となった理由

 繰り返しになりますが、当初は教員になることが目標でした。ですので、大学院卒業後の進路として、大学教員の職を探すことは自然な流れでした。しかしこの業界は狭き門であり、なかなか自分の思う職は見つかりません。また、研究者としてさらに勉強するという意味でも、一度、外で研究員として研究したい、という思いもあり、前職の研究員となりました。その後、大学院時代にご縁があった今の所属先よりお誘いをいただき、現職に就きました。とても遠回りをしましたが、大学入学前の目標が叶った瞬間でもあり、人と人との縁はどこで繋がるのか、本当に分からないものだと改めて実感しました。

5)後輩へのメッセージ

 薬学部、といっても、卒業後の進路は多岐に渡ります。薬剤師として活躍することはもちろん、私のように教育・研究に携わる道もありますし、行政の現場で活躍している者もいます。また、薬は広く色々な方が飲んだり使ったりしています。従って、薬について学ぶことは、日常生活においてもかなり役に立ちますし、身近な人から頼られることも多くなるでしょう。様々な知識やスキルを得る、つまりできることを増やすことは、これから先を生きていく上での武器を増やすことだと思っています。その武器を増やすためにも、チャンスを逃すことなく様々なことにトライしてみてください。また、その時その時で出会う人々との縁は、どこでまた繋がるかが本当に予想できません。中には自分を助けてくれる縁ももちろんあります(事実私がそうでした)。ですので是非、人との縁を大切にして頂きたいと思います。

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